デフ・レパード / ヒステリア (1987)
1977年にイングランドで結成されたロックバンド。
1987年に発表された4枚目のアルバム[Hysteria]の10曲目に収録されています。
NWOBHMのムーブメントに乗り、Judas PriestやIron Maidenと共にヘヴィメタルバンドの代表格としてデビューをしましたが、前作のPyromaniaが全米で大ヒットをしたことで大きく方向転換。
より大衆向けでわかりやすいメロディアスなロックを突き詰めるスタイルが受け入れられ、Hysteriaは全世界で3000万枚近くを売り上げるモンスターアルバムとなりました。
その中から、雄大でどっしりとしたビートに乗る美しいギターのアルペジオが印象的なナンバーがこちらです。
まず、ドラマーのRick Allenは普通のドラマーではありません。
なんと、片腕のドラマー!
21歳の頃に交通事故で片腕を失うも、不屈の精神とテクノロジーの力を使って復帰を果たしました。
どうやって叩いているのかと言うと、電子ドラムを使って右足でバスドラムを、左足でスネアの音を鳴らすようにしています。
なので、右腕はハイハットとシンバルを担当すればOKです!
文字で書くと簡単そうに見えるけど、実際は非常に難易度が高いです。
まず、片手だと椅子に座ってバランスを取るだけでも一苦労。
ドラムを叩くなんて、曲芸レベルです。
しかも、世界トップレベルのバンドの屋台骨ですよ?
並大抵の努力では実現できるものではありません。
また、楽曲のアレンジも非常に重要。
手数の多い高速プレイをするには圧倒的に不利な環境です。
必要最小限の音数でプレイできるように、楽曲も練りに練られています。
基本のリズムは非常にシンプルでゆったりとしており、体が横に揺れるフィールです。
こう言うリズムは8分音符をとても丁寧に感じながら叩かないといけません。
かといって、細かくリズムを取ろうとするとノリが硬くなるので、あくまでもゆったりしたフィールを忘れてはいけません。
派手なフィルインは一切ありません。
もしプレイしたとしても、曲の流れを組んだ味付け程度のオカズです。
持ち前の安定した心地よいリズムで勝負ができれば、片腕もハンデにならない良き見本です。
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