スターゲイザー / スターゲイザー (1988)
1986年にドイツで結成されたメロディアスハードロックバンド。
1988年に発表された1枚目のアルバム[Back On The Street]の5曲目に収録されています。
マニアの間で密かな人気となったオルガン入りの5人組バンドです。
結成後間も無く、自主レーベルよりEPをリリース。
それに続くフルアルバムとして当時は誰にも知られずひっそりと発売されたものが本作です。
その中から、メロディラインのインパクトが特に強いスピードナンバーがこちらです。
ドイツのバンドらしい湿り気たっぷりのメロディラインですが、湿り気の度合いが一線を超えています。
まるで演歌か昭和歌謡かと思うほど強烈なメロディです。
日本語の歌詞を乗せたとしても、まるで違和感を感じないでしょう。
初期の[Scorpions]や[Trance]みたいなドイツのバンドは日本人の琴線に触れるメロディラインを作るのが本当に上手です。
アレンジは、[Rainbow]から影響を感じるストレートなハードロックです。
ギターよりもオルガンやシンセが目立ち、演奏面でもテクニックはあまり見せずプレイは極めてシンプル。
だからこそ、歌が引き立ちます。
シンガーの歌唱力は高く、ハードロックよりもAORの似合うソウルフルな声です。
歌謡曲のようなメロディラインとの相性が抜群で、歌えるのはこの人しかいないと錯覚するほどです。
アマチュアにこんなシンガーが眠っていたなんで、ドイツのマイナーシーンの奥深さを感じました。
ただ、どうしてもメジャーになれない要素もあります。
しつこいほどサビを繰り返し、わざとらしい転調をした挙句にアウトロで奇妙なシャウトをするアレンジはメジャーシーンでは過去に散々使い古された禁断の手法。
逆を言えば、こういうマニア向けのバンドの愛好家であれば笑いのネタになる素晴らしいアレンジとも言えるでしょう。
サブスクリプションには登録されておらず、CDも入手困難な隠れたバンドです。
ただ、偶然見つけたならば是非ともチェックして頂きたいです。
マニア御用達の隠れた名曲です。
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