【曲紹介】Silent Rage / Rebel With a Cause

サイレント・レイジ / レベル・ウィズ・ア・コーズ (1988)

1985年にロサンゼルスで結成されたハードロックバンド。
1989年に発表された2枚目のアルバム[Don’t Touch Me There]の4曲目に収録されています。

80年代を象徴するメロディックなアメリカンロックの王道を行くサウンドで話題となったバンドです。
インディーズレーベルのChameleon Recordsと契約し、[Paul Sabu]のプロデュースの元で発表された前作が[Kiss]のGene Simmonsの目に留まります。
これによってSimmons Recordsを通じてRCAの配給でメジャーデビューを果たしました。
ドラマーが元[White Tiger]のBrian Jamesへ交代したことで一度はThe Hungerと改名しましたが、すぐに元のバンド名に戻して本作のレコーディングを開始します。
Gene Simmonsと前作に続いてPaul Sabuのバックアップにより、メジャーレーベルならではのゴージャスなサウンドとアメリカのトレンドの真ん中を突き進むメロディックな力作となりました。
その中から、前作にも収録されていた曲のリメイクでMusic Videoも作られた人気曲がこちらです。

結論から言うと、リメイク前とは別物と言っていい程の脅威的な変化を遂げました。
元々はサビが多少印象に残るかなという程度の地味な楽曲だったのですが、サビから始まる展開に変えたことで曲の持つインパクトが段違いです。
また、演奏も飛躍的にタイトになりました。
前作でプレイしたJerry Granは上手いドラマーとは言えず、リズムの芯がぼやけた緩いプレイをしていました。
ですが本作から加入したBrian Jamesが叩くヘヴィで正確なビートは、メジャーバンドに相応しいプレイと言えるでしょう。

ヘアメタル風のルックスながら、ハスキーな声質でドラマチックに歌うJesse Damonのおかげで軽薄なイメージは皆無です。
シンセの比重は幾分か減りましたが、その分ギターが全面に出ているので硬派な印象も増しました。
ミドルテンポのシンプルなアレンジながら、歌も演奏も確かな実力者が揃っているじっくり聴かせるナンバーに仕上がっています。

正直、どちらも甲乙つけ難い出来です。
アマチュアに毛の生えた程度のオリジナルバージョンは、キラリと光る原石を持つB級バンドを発掘できた時の喜びを感じました。
それに対してこちらのバージョンは、しっかりとお金をかけて作り込まれたメジャー感たっぷりの骨太サウンドです。
結局大きなセールスは上げられずに埋もれてしまいましたが、良質なメロディックロックを探し求めるリスナーには是非とも耳してもらいたい隠れた名曲です。

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