メガデス / シー・ウルフ (1997)
1983年にロサンゼルスで結成されたスラッシュメタルバンド。
1997年に発表された7枚目のアルバム[Cryptic Writings]の10曲目に収録されています。
テクニカルなギターリフや複雑な曲展開を全面に出した[インテレクチュアル・スラッシュメタル]と呼ばれるジャンルを確立した、シーンを代表するバンドです。
[Metallica]がデビューする直前にバンドを解雇されたDave Mustaineを中心に結成されました。
90年代に入ってからは、他のバンドがそうであるように徐々にシンプルでメロディアスな音楽性に発展。
ハードな音楽性との両立が最もバランス良く配分されている作品の中でも、セットリストから外れることは滅多に無い屈指の人気曲がこちらです!
スラッシーでザクザクしたギターリフの刻みが実に心地よく、シンプルな曲構成とスピード感のあるリズムが有無を言わせない勢いを感じさせてくれます。
かといって我武者羅な疾走感ではなく、確かなテクニックを土台に余裕のあるプレイです。
あえてテクニックを見せつけずに高度なアンサンブルを構築するセンスは、[Giant]での活動やヒットチャートを賑わせた楽曲をいくつもプロデュースしているDan Huffを共同製作者に迎え入れたことでの影響が大きいと感じます。
ひねくれた低音で嫌味をたれるかの如きDave Mustaineの声で、ここまでメロディアスなサビを構築できるのは本当に大したものです。
中途半端なことをやっていたら、似合わないことをやらせているだけの駄曲に成り下がる危険性すらある冒険を、ここまで高いレベルで表現できたのは数え切れないほどのアーティストをプロデュースしてきた経験の賜物です。
ただ、この曲の魅力はそんなところだけではありません。
おそらく、魅力の8割以上は曲のラストで聴けるインパクト抜群のギターソロで占められています。
シンプル極まりないソロですが、メロディラインが強烈です。
[Iron Maiden]に多大な影響を受けたであろうツインリードが奏でるヒロイックなメロディの吹っ切れ具合は、メタルバンドは数多くあれど滅多に出会えないレベルではないでしょうか。
例えるとしたら、80年代のゲームミュージックです。
カプコンのゲーム(特に近いのはロックマン2あたりでしょうか)でそのまま使ったとしても全く違和感のない仕上がりです。
アメリカでもMega Manのタイトルで大人から子供まで人気のあるシリーズなので、もしかしたらインスパイアされたのかもしれません。
数多くあるMegadethの名曲の中でも最もメロディアスなソロだと思います。
ここまでやってくれたら言うことはありません。
所謂クサいギターソロが好きなリスナーは必聴です。
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