【曲紹介】Sepultura / Arise

セパルトゥラ /アライズ (1991)

1984年にブラジルで結成されたヘヴィメタルバンド。
1991年に発表された4枚目のアルバム[Arise]の1曲目に収録されています。

南米大陸から世界へと羽ばたき、大きな成功を収めたバンドのパイオニア的存在です。
ブラジル最強のバンドとして長年にわたって君臨し続けています。

結成当初はVenomやCeltic Frostから多大な影響を受け、悪魔崇拝や黒魔術などを主題にしたブラックメタルをプレイしていましたが、徐々に洗練されたスラッシュメタルサウンドに移行し、その方向性が頂点に達したのがこのナンバーです。

アルバムデビュー時はまだ楽器を手にしたばかりの高校生だったメンバーもようやく全員成人し、演奏の経験も十分に積んだ状態でレーベルから提供された豊潤な予算で発表した楽曲は、それは凄まじいエネルギーに満ちていました。

社会問題や紛争を題材にした非常にシリアスな内容は、数年前の初期衝動だけで挑んだ悪い意味で年齢相応な作品と比較すると、同じアーティストが発表したものとは到底思えません。
そこにあるものは、圧倒的なパワーとスピード感で全てを薙ぎ倒して突き進む、破壊力抜群のスラッシュメタルです。

ただ、従来通りにスピード一辺倒ではなく、ビートの変化で速いパートを更に速く聴かせる工夫が凝らされています。
曲の長さは3分程度で構成も単純明快。
覚えやすくて繰り返し聴いても飽きが来ません。

この曲で最も特筆すべきは、リズムに粘り気の強いヘヴィなフィールを大胆に取り入れているところです。
1:30〜の展開なんか、数年後に開花する民族音楽を取り入れた方向性と非常に近い雰囲気を持ち合わせています。
この頃から後の変化を視野に入れていたのでしょう。

音楽性が目まぐるしく変化するバンドの歴史において、純粋なスラッシュメタルをプレイしていた時代としては最後の作品です。
中心人物が全員脱退し、実質同じバンド名を名乗る別のバンドに変貌した後の時代でもライブの定番となっているところからも、バンドにとってもファンにとっても非常に重要な楽曲であることは間違いありません。
スラッシュメタルの歴史を語る上では絶対に外すことのできない名曲!

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