【曲紹介】Sodom / Agent Orange

ソドム / エージェント・オレンジ (1989)

1981年にドイツで結成されたスラッシュメタルバンド。
1989年に発表された3枚目のアルバム[Agent Orange]の1曲目に収録されています。

ジャーマンスラッシュメタルの代表格であり、[Destruction]や[Kreator]と共にシーンの創世記から活動を続けているバンドです。
長い歴史の中で数々の作品を発表してきましたが、その中で最も人気が高いのがこちらのナンバー。

Sodomの代名詞どころか、ジャーマンスラッシュを象徴するナンバーに仕上がっています。
元々は、ハードコア寄りで整合性とはかけ離れた初期衝動だけの楽曲をプレイしていましたが、1987年に発表したEPのExpurse Of Sodomyから音楽性をスラッシュメタルにチェンジ。
歌詞の内容も悪魔崇拝から反戦などの社会風刺を含んだものへと変化していきました。

アンサンブルが成り立たないほどに壊滅的だった演奏力や、何も考えずに突っ走るだけのアレンジ能力も劇的な成長を遂げ、予算を十分に確保した上でレコーディングで完成したものは、前作までと同じバンドとは思えないほどに円熟味を帯びたものでした。

ストレートに疾走するスラッシュサウンドは従来通りですが、要所要所にリズムチェンジを有効に取り入れています。
1分ほどのイントロで何の変哲もない普通のメタルなのかと思わせておいて、一気に加速して爆走を始める展開は何度聞いてもワクワクします。
かといってスピード一辺倒ではなく、MetallicaSlayerも通った中盤でのスローパートをうまく使ってリスナーに飽きがこないアレンジも見事!
6分を超える長尺で、スラッシュメタルとして考えるとかなり長い曲ですが、スピードだけに頼らない巧みな曲構成でバンドの代表曲まで上り詰めました。

正直、6分丸々早いだけだと飽きます。
かといって、展開があんまり目まぐるしく変化してもリスナーは置いてきぼりになってしまいます。
この曲の魅力は、適切なタイミングでギアチェンジを行って体感速度を見事にコントロールしているところです。
勢いだけでなく、頭を使って構成を練りに練った結果です。

ジャーマンスラッシュを知りたければまずここから入るべき名曲です!

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