【曲紹介】Savatage / Jesus Saves

サヴァタージ / ジーザス・セイヴス (1991)

1978年にフロリダ州で結成されたヘヴィメタルバンド。
1991年に発表された6枚目のアルバム[Streets: A Rock Opera]の2曲目に収録されています。

正統派ヘヴィメタルにプログレッシヴロックの持つドラマチックな要素を盛り込んで人気を博したバンドです。
1983年にAvatarからSavatageへ改名した頃はオカルトの要素を含むダークなヘヴィメタルをプレイしていましたが、Atlantic Recordsと契約したことをきっかけに徐々に商業的なサウンドにシフトチェンジしていきます。
しかしレコード会社から強要された音楽性に反発するように、プロデューサーのPaul ONeillと共にプログレッシブロックのエッセンスを強めたドラマチックな作風へと発展を遂げます。
そして、遂にはロックとオペラの融合を果たしました。
バンドの代表作となった名盤の中から、緊張感に溢れるドラマチックなナンバーがこちらです。

独特の浮遊感のあるポリリズムを使用した切れ味の鋭いギターリフが強烈です。
ユニゾンで鳴っているシンセブラスの音がフレーズの持つ緊張感を更に高めています。

普段は癖の塊であためににフィットする楽曲が限られるJon Olivaの歌も、楽曲を盛り上げる台詞として見事に溶け込むアレンジに仕上がっており、彼の持つ持ち味を見事に活かしたプロデューサーであるPaul ONeillの手腕には驚かされます。

兄に負けまいと、Chris Olivaのギタープレイも普段にも増してエモーショナルです。
バッキングのフレーズに対してまるで会話をするかのように自由自在にカウンターメロディをねじ込み、ソロパートでは感情を爆発させたかのようなアクロバティックなプレイを聴かせてくれます。
全ての楽器が派手に絡み合うアンサンブル中でも、決して埋もれるまいと意地を見せているようです。

元々この曲はDT Jesusのタイトルでレコーディングされましたが、レーベルの重役からNGが出てしまったことにより作り直しを命じられました。
スケジュールの都合でJon OlivaとChris Olivaの兄弟しかレコーディングに参加できなかった為に、Jon Olivaがヴォーカルの他にドラムとキーボードを、Chris Olivaがギターだけでなくベースパートも演奏をしています。
様々な楽器をマルチに操れる兄弟の息はピッタリで、中間部分のテクニカルなユニゾンフレーズを寸分の乱れもなく見事に合わせてきます。

複雑でドラマチックな曲展開や、オーケストレーションとの融合を見事に果たし、プログレッシヴメタルの基礎を作り上げたと言っても過言ではない名曲です。

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