プリティ・メイズ / バック・トゥ・バック (1984)
1981年にデンマークで結成されたヘヴィメタルバンド。
1984年に発表された1枚目のアルバム[Red Hot and Heavy]の2曲目に収録されています。
メロディックなサウンドが世界中で人気を集めたデンマークを代表するバンドです。
1983年にイングランドのインディーズレーベルBullet Recordsから最初のEPを発表すると、それが本国のCBSの目に留まってメジャー契約を獲得。
幾度かのメンバーチェンジを経て、デビューアルバムをレコーディングします。
完成した作品は、当時としてはヘヴィな作風ではありましたが北欧のバンドらしいメロディアスな楽曲が人気を呼びました。
その中から、バンドの代表曲として愛され続けているスピードナンバーがこちらです。
NWOBHMのムーブメントも終わりが見えてきた時代に、メロディアスな側面と激しさを兼ね備えた必殺の一撃のようなキラーチューンが生まれました。
ザクザク刻まれる攻撃的なギターリフから濁声の強烈なシャウト、そして終始激しく踏み鳴らされるツインバスの連打は後のメロディックメタルの雛形として長くに渡って愛されるテンプレートとなりました。
同郷の[King Diamond]ほどの強烈な個性は無いながらも2つの声色を表現力豊かに使い分けるRonnie Atkins(Vo)のスタイルは、がっ曲をとてもドラマチックに彩ります。
キメやブレイクを駆使したアンサンブルからは、シンプルながらも確かな演奏力を持ち合わせていることがよく伝わります。
そして、シンセ奏者を入れた6人編成という大所帯ならではのアレンジにはギラリと光るセンスを感じました。
ツインでハーモニーを奏でるギターの上にシンセの音色を薄く重ねたり、ギターソロではトリプルリードのアルペジオフレーズを奏でたりとヘヴィメタルの長い歴史の中でも名演と呼ばれるフレーズが目白押しです。
メロディックパワーメタルのスタイルはドイツの[Helloween]が1987年頃に確立したというのが一般的な認識ですが、この曲はその3年も前です。
パイオニアと呼んでも差し障りは無いでしょう。
1997年にはスウェーデンの[Hammerfall]もカヴァーをして再度注目を浴びました。
北欧のヘヴィメタルどころか、メロディックメタルを語る上で決して避けて通ることのできない歴史的名曲です。
コメント