ウォーロック / オール・ウィー・アー (1987)
1982年にドイツで結成されたヘヴィメタルバンド。
1987年に発表された4枚目のアルバム[Triumph and Agony]の1曲目に収録されています。
ドイツを代表する女性シンガーのDoro Peschが在籍していたことで有名なバンドです。
1985年のメジャーデビュー以来飛ぶ鳥を落とす勢いとばかりに快進撃を続け、前作の[True as Steel]はドイツの音楽チャートで18位まで上り詰めます。
勢いに乗ったバンドは[W.A.S.P]のイギリスツアーに帯同し、その活躍が見初められて[Judas Priest]の前座としてヨーロッパ全土でパフォーマンスを披露しました。
そしていよいよ活動の拠点をアメリカへと移します。
メンバーをアメリカ人のTommy Bolan(Gt)とTommy Henriksen(Ba)にチェンジして(元のメンバーは[U.D.O]に移籍)制作された本作は、ドイツのチャートで3位を獲得したばかりかBillboardチャートでも80位に食い込みます。
その中から、バンド最大のヒットシングルであり代表曲ともなったのがこの曲です。
ワンスレーズ聴くだけでシンガロングができるサビのメロディラインがとにかく強烈。
冒頭でアカペラで歌い、続いてオーディエンスに歌わせるライブを意識したアレンジも秀逸です。
まさにファンとの一体感を得るアリーナロックを体現しているかのようです。
アメリカ進出をして現地でのヒットを狙った戦略も見事に功を奏しました。
曲の構成も意図的にシンプルにしてあり、複雑な展開は一切ありません。
余計な贅肉を削ぎ落とし、MTVやラジオでヘヴィローテーションをさせる意図もありそうです。
とにかく、しつこいほどに繰り返すサビのメロディは長い月日が流れた後もメタルアンセムとして語り継がれています。
ライブでは毎回長いオーディエンスとの掛け合いのパートが設けられ、多くのファンたちが熱狂します。
力強いイメージの楽曲と歌声に反し、当時のDoro Pesch自身はブロンドヘアの華麗なルックスです。
この姿から、ここまでパワフルな歌唱が飛び出すことが想像できなかったリスナー達は度肝を抜かれたと思います。
本格派女性メタルシンガーのパイオニアと言っても過言では無い存在感です。
元マネージャーとのトラブルによりバンド名が使用できなくなったことでDoroのソロ名義での活動へと転向を余儀なくされましたが、彼女のライブでは必ず演奏されるメタルアンセムです。
長いヘヴィメタルの歴史を語る上で、避けて通ることのできない名曲!
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