レインボー / ロスト・イン・ハリウッド (1979)
1975年にイングランドで結成されたハードロックバンド。
1979年に発表された4枚目のアルバム[Down to Earth]の8曲目に収録されています。
[Deep Purple]を脱退したRitchie Blackmoreを中心に結成され、HR/HMの発展に多大な影響を与えたバンドです。
当初は[Elf]にRitchieがジョイントする形式のソロプロジェクトでしたが、次第に自身が集めたメンバーによるバンド形式へと移行。
1976年の[Rising]と1978年の[Long Live Rock ‘n’ Roll]は、所謂”様式美”と呼ばれるクラシカルな旋律に彩られたハードロックの名盤となりました。
しかし、元[Deep Purple]のRoger Gloverをプロデューサーにアメリカでのヒットを意識したニューアルバムのレコーディングを企画したところ、自身のスタイルとの違い感じた[Ronnie James Dio](Vo)が脱退。
メンバーの補充が必要となり、長らく空席だった正規キーボードの座にはDon Aireyが、ベーシストにはプロデューサーのRoger Gloverが加入。
シンガーの座には[The Marbles]で[Only One Woman]のヒットを放ち、ソロ歌手としてもオーストラリアで人気となったGraham Bonnetが抜擢されます。
完成したニューアルバムは、これまでと違った作風ながらもコンパクトでメロディアスな楽曲が好評となり過去のファンからも一定の評価を得る結果となりました。
その中から、弾けるようなリズムとスピード感のあるギターリフがたまらないアルバムのラストを飾る曲がこちらです。
『Cozy Powellここにあり!』とばかりの凄まじいスネアロールが炸裂するオープニングはインパクト抜群。
基礎をマスターすれば叩けるフレーズなのですが、ここまでリズムロールさせてパワフルに叩けるドラマーはなかなかいません。
そこに載せたギターリフは、スピード感抜群で実にキャッチー。
[Deep Purple]時代の[Lady Double Dealer]を彷彿とさせ、ファンキーで気分を高揚させる要素も多分に含んでいます。
Graham Bonnet(Vo)の全身全霊を込めた熱唱も見事!
圧倒的なパワーで押しまくるパフォーマンスは、どこかで力尽きて倒れてしまわないか不安になるほどです。
ハードロックを歌うのは初めての経験だったというので、まさに新たな才能を世間に知らしめるきっかけとなりました。
ポップでメロディアスな路線とはいえ、元来の持ち味であったクラシカルなアレンジも健在です。
ここは音大で学位を取得し、フュージョンやロック問わず数多くのセッションへ参加してきたDon Airey(Key)の手腕が大きいように感じます。
中盤の見せ場で彼の弾く壮大なシンセソロは、ロックンロールを基調としたシンプルなアレンジにひと匙のドラマチックなエッセンスを加えます。
プロデビュー当時に活動を共にしていたCozy Powell(Dr)の推薦で加入したというのですから、素晴らしい人選です。
個人的に最も耳を引いたのが、ドラムの後ろでかすかに聞こえるシェイカーのサウンドです。
Cozy Powell(Dr)のヘヴィで豪快なビートがシェイカーによって絶妙なリズムの跳ねを感じさせ、ギターリフの持つファンキーな要素をより引き立てています。
オープンハイハットのサウンドと混ざったスピード感と横揺れを伴ったリズムは、ドラム単体で演出しようとしてもなかなかできるものではありません。
狙ったのか偶然かはわかりませんが、素晴らしいアイデアです。
素晴らしいメンバーの揃ったラインナップもアルバム1枚で終わり、バンドはよりポップな方向へと舵を切っていきます。
まさにスーパーバンドの様相を醸し出した名盤のラストを締めくくるに相応しい名曲です。


コメント