【曲紹介】The Rods / Hurricane

ザ・ロッズ / ハリケーン (1983)

1980年にニューヨークで結成されたヘヴィメタルバンド。
1983年に発表された3枚目のアルバム[In the Raw]の1曲目に収録されています。

アメリカのヘヴィメタルムーブメント創世記から活動しているベテランバンドです。
元[elf]のDavid “Rock” Feinsteinと[Manowar]を脱退したばかりのCarl Canedyを中心に結成されました。
自主制作の1stアルバムをリリース後にArista Recordsと契約。
よりメジャーになったサウンドで人気を博しますが、売上不振により契約を破棄されてしまいます。
再出発とばかりに当時立ち上げ間もないShrapnel Recordsへ移籍。
コマーシャルな部分を排除した非常にストロングなスタイルの作品をリリースします。
その中から、アルバムのオープニングを飾るバンドの代表曲がこちらです。

スピード感のある直球のヘヴィメタルに仕上がっており、余計な小細工は一切ありません。
全てを薙ぎ倒して突き進む重戦車のようなビートが実に爽快。

シンプルな分、声域が広く表現力豊かなDavid “Rock” Feinsteinの歌が映えます。
同時期に自身のバンドでデビューを飾った従兄弟の[Ronnie James Dio]と同様に理想的なメタルシンガーです。
大都会のコンクリートジャングルを生きるアウトローの雰囲気をうまく演出しています。

この曲の持つスピード感のキモは、8分音符。
Carl Canedyのハイハットやライドシンバルの細かい刻みに合わせて、全ての楽器がユニゾンをしています。
Garry Bordonaroのベースはもちろんのこと、David “Rock” Feinsteinもギターのダウンピッキングでリズムを完全にシンクロさせています。
これによって細かいパルスが生まれ、体を前に引っ張られる感覚が生まれます。
慌ただしいテンポでスピードをキープするのは大変だったでしょう。

この曲の作曲者でプロデュースまで行ったCarl Canedyは、後に敏腕プロデューサーとして[Exciter]や[Anthrax]、[Possessed]等の名盤を手掛けました。
スラッシュメタル創世記の立役者が日の目を見るきっかけとなったマイナーメタルの名曲です。

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