ラッシュ / キャラバン (2012)
1968年にカナダで結成されたプログレッシブロックバンド
2012年に発表された19枚目のアルバム[Clockwork Angels]の1曲目に収録されています。
これまで[Fates Warning]や[Queensryche]、[Dream Theater]を等のプログレッシブメタルバンドはもちろん、ジャンルを超えたありとあらゆるアーティストに影響を与え続けてきたモンスターバンド。
そんなRushのラストアルバムとなった作品のオープニングを飾るナンバーです。
70年代、80年代、90年代、2000年代と音楽性を変えて活動してきた彼らの2010年代に残した唯一の作品は、装飾を限りなく排除した無骨でヘヴィなオルタナティヴサウンドでした。
音の隙間の多い無機質なギターリフは、「そうきたか!」と意表を突かれた気持ちにさせてもらえます。
もちろん、音の隙間が多いとはいえ芯のある図太いサウンドです。
ベテランの貫禄を感じさせてくれます。
ただし、Rushがそのままシンプルに徹するはずがありません。
Bメロではしっかりとお決まりの拍を数えるだけでもアップアップなテクニカルな変拍子を披露してくれますし、サビではビートを落として神々しさすら感じられるクリーントーンのギターアルペジオが鳴り響きます。
展開によってここまで違った表情を自然につけられるバンドのセンスには脱帽です。
さて、Rushの楽曲での聞きどころといえばこの人ですよ!
ドラマーのNeil Peart!
67年の生涯でドラムプレイにおける表現の幅を大幅に広げた人です。
この世で最もドラムが上手いと思う人ランキングを作ったら、絶対にノミネートされる神様レベルのドラマーです。
サウンドはクリアで、それでいて太くて芯があるのでドッシリと響きます。
そんな音で手数の多いテクニカルなプレイをさらりと聞き流せるぐらいの塩梅でやってのけます。
特に、この曲のソロパートは、白熱します。
特に、Geddy Leeのベースが大暴れを始めるのですが、それに負けじとNeil Peartのプレイがバチバチと火花を散らしてくれます。
その上にあぐらをかくようにAlex Lifesonが自由気ままにギターをかき鳴らします。
何度も何度もリピートしていくうちにこの魅力にどっぷりと浸かって抜け出せなくなる沼のような楽曲です、
派手な即効性がない分、深みにはまるものですね。
カナダの至宝、Rushの有終の美を体験してください。
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