ソドム / コード・レッド (1999)
1981年にドイツで結成されたスラッシュメタルバンド。
1999年に発表された9枚目のアルバム[Code Red]の2曲目に収録されています。
ジャーマンスラッシュメタルの代表格であり、[Destruction]、[Kreator]と共にシーンの創世記から活動を続けているバンドです。
1992年にChris Witchhunterが脱退してからは元[Living Death]のAtomic Steiffを迎えてハードコアパンクとのクロスオーバーへと方向転換。
前作の[‘Til Death Do Us Unite]からはTom Angelripper以外のメンバーが総入れ替えとなり、アンサンブルが見違えるほどタイトになりました。
翌年には古巣のSteamhammerを離れて新たにDrakkar Entertainmentと契約。
往年のファンたちからの期待に答えるべく、スラッシュメタルサウンドに回帰した本作をリリースします。
その中から、アルバムのトップを飾る激烈なタイトルトラックがこちらです。
邪悪で重戦車のようにヘヴィなイントロのリフを聞けば、過去の音楽性と完全に決別をしたことがよくわかります。
じわじわと熱力を上げていき、一発のブレイクが入った後に流れる超高速のギターシュレッドが流れてくればボルテージは一気に最高潮まで上昇。
凄まじい突進力のビートは、まるでブレーキの壊れたダンプカーのようです。
どちらかと言えば活動最初期の[In The Sign Of Evil]や[Obsessed By Cruelty]をリリースした頃の音楽性とも似ていますが、あの頃との大きな違いはメンバーの演奏力。
新加入のBernemann(Gt)とBobby Schottkowski(Dr)のリズムの安定感は抜群であり、どんなにハイテンポの演奏であってもアンサンブルが崩れることがありません。
崩壊と再生を繰り返しながら辛うじて曲だとわかるレベルの微笑ましい演奏をしていたあの頃とはまた違うベクトルの魅力があります。
曲展開も爆走一辺倒ではなく、ビートチェンジを有効に絡めて飽きさせない工夫が凝らされています。
4分近い長さでありながら、長さを全く感じさせません。
爽快感と共に曲が終わるので、もう一度リピートをしたくなる魅力に溢れています。
ここからスラッシュメタルとして完全復活を遂げたバンドの快進撃が始まりました。
その狼煙ともなった歴史的名曲です。
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