【曲紹介】Pink Floyd / Time

ピンク・フロイド / タイム (1973)

1967年にイングランドで結成されたプログレッシヴロックバンド。
1973年に発表された8枚目のアルバム[The Dark Side of the Moon]の4曲目に収録されています。

ドラッグによる幻覚を音楽で表現したサイケデリックロックバンドしてデビューし、リーダーのSyd Barrett脱退後は壮大で最新のテクノロジーを駆使したプログレッシヴロックバンドとして最もセールス的に成功したバンドとして有名です。
全世界で5000万枚以上の途方も無い売り上げの記録を打ち立てたバンドの代表作から、ライブでは必ずと言っていいほど演奏される人気ナンバーがこちらです。

無為な時間をただ消費するだけの愚か者に向けた警告とも言えるような目覚まし時計や鐘の音が幾重にも重なり、秒針の音を表現する効果音をバックにシンセとパーカッションのソロが怪しく響き渡る緊張感抜群のイントロは、まるで映画のBGMを聴いているかのようです。

そして、David Gilmourのギターと歌が聞こえてきた瞬間に曲調がガラリと変わり、緊張感から一気に解放されます。
この静と動のメリハリの付け方は見事で、これがあるだけで一気に曲の持つ世界へと引き込まれてしまいます。
POPでありながら、幻想的でもある空を飛んでいるかのような雰囲気を感じたまま聴き入っていると、耳に飛び込んでくるは力強さに満ち溢れた太い音で奏でられるギターソロです。

一球入魂とばかりにロングトーンを多用して感情表現豊かに奏でられるプレイは、まるでガスバーナーで炙られているかのようにジリジリと心に響いてきます。
音数は最小限に、一万光年先まで届かせる気持ちで奏でられるこのソロは、バンド史上ベストテイクと言っても過言ではないでしょう。

この曲は組曲形式となっており、後半はSpeak To Meのフレーズに戻った後にバックで聴こえるスキャットを主役にした[The Great Gig In the Sky]へと間を開けずに移行します。
音でストーリーを表現するコンセプトアルバムですが、1曲だけ抜き出してもこれだけ聴きごたえがあるケースはなかなかレアです。
ロックの歴史に名を刻む時代を超えた名曲です。

Pink Floydの他の楽曲紹介はこちら!

アルファベット別の記事一覧はこちら!

コメント

タイトルとURLをコピーしました