【曲紹介】Heed / Ashes

ヒード / アッシズ (2005)

2004年にスウェーデンで結成されたヘヴィメタルバンド。
2005年に発表された唯一のアルバム[The Call]の4曲目に収録されています。

派手なメイクとコスチュームに身を包んだ強烈なルックス、そしてドラマチックで強靭なパワーメタルのサウンドで人気を博した[Lost Horizon]
2枚の名盤を発表するも、中心人物のDaniel Heiman(Vo)とFredrik Olsson(Gt)が他メンバーとの活動スタンスの食い違いから脱退してしまいます。
その2人を中心に[Lost Horizon]のツアーメンバーを務めていたMats Karlsson(Dr)と、彼と過去に[Seventh One]で活動していたJörgen Olsson(Ba)が合流して結成されました。
日本でも多くのファンを獲得した人気バンドの元メンバーとだけあって、すぐさまAVALONが彼らと契約。
トントン拍子でレコーディングも進み、デビューアルバムをリリースする運びとなりました。
ファンからの大きな期待をもって迎えられた作品から、ドラマチックなメロディのアップテンポナンバーがこちらです。

[Manowar]直径の暑苦しいパワーメタルからJonny Lindkvist加入後の[Nocturnal Rites]のような正統派ヘヴィメタルへ転身したサウンドは、多くのファンを驚かせました。
映画[Highlander]の世界観に基づいたSFファンタジーの面影は完全に払拭され、完全に新しいバンドとしての再出発をする決意が強く感じられます。

ただ、当時のシーンで圧倒的と評されていたDaniel Heiman(Vo)の凄まじいパワーはこの曲でも真価を発揮しています。
Aメロの歌い出しからまるでサビを歌っているような勢いで声を張り上げ、そのテンションを曲の最後まで持続します。
ギターソロでは合いの手を入れるかの如く、トレードマークの超音波のような強烈なシャウトを聴かせてくれます。
声域がとても広く、どのパートも器用に歌いこなすシンガーだと再認識しました。
ファンの求めるメロディラインを忠実に再現したと言っても過言ではない名演です

Fredrik Olsson(Gt)の感情豊かなエモーショナルなソロも、音楽スタイルは違えど健在です。
胸を締め付ける哀愁のあるメロディを溜めの聴いたリズムでじっくりと聴かせており、[Michael Schenker]からの影響が伺えます。
派手な速弾きをあえてせずに歌に寄り添うツインボーカルのようなプレイは一体感抜群です。

飛び抜けて個性的なプレイはありませんが、強烈なパワーを持ったシンガーとそれを最大限に引き立てるメロディライン。
そして、堅実で粗の無い鉄壁のアンサンブルは人気バンドと決別して活動をする意地を感じました。

残念ながら話題性に反してセールス面では惨敗し、自然消滅に近い形でバンドは解散してしまいます。
悔やまれる結果にはなりましたが、歴史に埋もれさせるには惜しい隠れた名曲です。

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