アリス・イン・チェインズ / ウドゥ? (1992)
1987年にアメリカのシアトルで結成されたオルタナティブロックバンド。
1992年に発表された2枚目のアルバム[Dirt]の13曲目に収録されています。
シアトルのグランジブームの中で最もメタル色の強いサウンドを出していた伝説のバンド。
メタル色の非常に高かったデビューアルバムに対し、一気にダークで大敗的な空気を爆発させた最大のヒットアルバムのラストを飾るのがこの曲です。
押し潰されそうなほど暗く、重苦しいムードが曲全体で漂っています。
生きる希望を失って自暴自棄になっている心の叫びが聞こえてきます。
このバンドの特徴として挙げられるのは、非常に生々しい演奏とサウンドです。
編集などは必要最低限に、その場から出てくる音をそのまま録音したかのような質感がたまりません。
この当時、レコーディングにクリック(メトロノーム)を使うのは当たり前のように行われている手法ですが、この曲ではそんなもの使われていません。
もしかしたら、同じスタジオの中で一斉に音を出して録音したのかもしれません。
Aメロとサビで明らかにテンポが変わっています。
ただ、基本のリズムは一切崩れていないので、心地よい変化です。
これは、全員で同じリズムを共有しているからこそです。
盛り上げるパートはテンポアップし、落ち着くパートはテンポダウン。
リズムが共有できていれば、不自然にならずに済みます。
これがバンドアンサンブルの醍醐味です。
メトロノームのリズムは、これを阻害してしまいます。
どちらが魅力的かは、音楽のスタイルによって様々です。
Alice In Chainsには、生き物のように波に沿って動き回るリズムがとても似合うと思います。
皮膚の下を虫が這いずり回るかのような感覚を覚えるベースのソロからタムを絡めたドラムの思いビートが入ったら、もうAlice in Chainsmの世界です。
90年代のグランジを代表する超名曲!
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