【曲紹介】Motorhead / Ace Of Spades

モーターヘッド / エース・オブ・スペーズ (1980)

1975年にイングランドで結成されたロックバンド。
1980年に発表された4枚目のアルバム[Ace Of Spades]の1曲目に収録されています。

[Hawkwind]を解雇されたLemmy Kilmisterによって結成され、骨太なロックンロールサウンドはジャンルの垣根を超えて世界中のファンを熱狂させました。
40年にも渡るの活動の中で、バンドの代表作として圧倒的知名度を誇る作品が本作です。
バンド最大の売り上げを叩き出して商業的にも大成功し、全英チャートでは4位を記録するヒットとなります。
3ピースのシンプルな編成から繰り出されるラウドで高速なサウンドは、フラストレーションの溜まった若いリスナー達を中心に圧倒的な支持を得ました。
その中から、バンドの代表曲であり最も知名度の高いナンバーがこちらです。

ポーカーでの白熱した勝負をテーマにしており、バンドの持つワイルドでアウトローな雰囲気を見事に具現化しています。
発表当時は前代未聞のパワフルで高速なナンバーとして知られ、ちょうどロンドンで始まったNWOBHMのムーブメントに乗ってヘヴィメタルバンドの象徴として語られることも多くあります。
ですが本人達はヘヴィメタルバンドとして扱われることに納得しておらず、あくまでもロックンロールバンドとしてのアイデンティティを貫いているため、カテゴライズの難しいサウンドです。

Lemmy Kilmisterのディストーションをかけた強烈なベースリフをメインに、ドタバタと大暴れするPhilthy Animal” Taylormの叩きつけるようなドラミングとFast” Eddie Clarkeの雄叫びを上げるギターが三位一体となって押し寄せてきます。
メンバー自身が「タップダンスを踊っている姿を想像していた」と語る忙しないノリは、高速なビートの中で激しく踵を打ち鳴らす軽やかさを兼ね備えており、この曲の唯一無二の個性です。
近年におけるヘヴィメタルの整合感とは対局にある暴れ馬に乗せられて振り回されるような感覚は、70年代後半にロンドンで流行したパンクロックのフィーリングにも似ています。

特筆すべきは、全体に漂うテンションの高さです。
なりふり構わず一心不乱に全力投球で演奏をしているのですが、決して空回りすることがありません。
3ピースという最小限の編成ながら、実際の音圧の何倍もの迫力を感じます。
人気が絶頂に達して全てがうまく進んでいるバンドの状況が如実に表れており、肉体的にも精神的にも最高のコンディションで制作された結果が見事に具現化されました。

2000年代前半からは[爆走ロックンロール]と呼ばれるスタイルに発展し、数多くのバンドがデビューを飾りました。
それら全てのパイオニアとも言える金字塔です。
ラウドなロックを愛する全てのリスナー必修科目と言っても過言ではない名曲中の名曲!

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