レッド・ホット・チリ・ペッパーズ / バイ・ザ・ウェイ (2002)
1983年にロサンゼルスで結成されたロックバンド。
2002年に発表された8枚目のアルバム[By the Way]の1曲目に収録されています。
ハードロックにファンクや軽快なラップを混ぜ合わせ、世界中で多くのファンを抱えるベテランバンドです。
1991年の世界的ブレイクからJohn Frusciante(Gt)脱退、そして彼の復帰作である1999年の[Californication]で二度目のグラミー賞の受賞。
嵐のような状況を乗り越えて、大きな成功を手にしたバンドはツアーの合間を縫ってニューアルバムの制作に取り掛かります。
メンバーの自宅、ガレージの中、レコーディングスタジオと場所を問わずにジャムセッションを繰り返して出来上がったサウンドはJohn Fruscianteの自由なギターワークとキャッチーなメロディに満ちたポップなものでした。
これが世界中でヒットとなり、全米チャートでは2位を、イギリスのチャートでは栄光の1位を獲得します。
その中から、ライブコンサートで演奏されることの多いヒットシングルがこちらです。
John Frusciante(Gt)の弾く柔らかいバッキングに合わせて優しく囁くように歌うAnthony Kiedis(Vo)
平和でハッピーなサビからスタートするこの曲は、心身ともに充実したバンドの状況を象徴するようです。
ですが穏やかなポップソングかと思わせておいて、唐突に展開が変化するのもこのバンドの魅力
『そうはいかないぜ!』とばかりにFlea(Ba)とChad Smith(Dr)のリズムセクションによる激しいビートの応酬が始まります。
このリズムセクションが実に強力。
卓越した技術を持っていて繊細なプレイもお手のものなのですが、常に体全体を使ったエネルギッシュなプレイを披露してくれます。
これだけ激しいプレイをするとリズムが崩れたり細かいミスもあるかと思いきや、安定感抜群の鉄壁のコンビレーションでリズムをグイグイ引っ張ります。
John Frusciante(Gt)が自由奔放なプレイでオーディエンスを沸かせることができるのも、彼らのおかげです。
この曲は静と動のコントラストが実に秀逸。
穏やかでメロディアスなサビとそれ以外のリズミカルなパートが交互にやってくるので、リスナーを飽きさせることがありません。
複雑なアンサンブルの構築は用いず、ジャムセッションから生まれた断片を組み合わせて作り上げたことがよくわかります。
バンドの状態も非常に良かったことから、リラックスした雰囲気が音を通してこちらまで伝わってきます。
ライブでこの曲の冒頭のギターが鳴らされるだけで大歓声が上がり、サビはオーディエンス全員の大合唱が始まります。
緩急をつけたアレンジの醍醐味が余すことなく味わえる名曲です。
コメント