【曲紹介】Saxon / Unleash the Beast

サクソン/ アンリーシュ・ザ・ビースト (1997)

1977年にイングランドで結成されたヘヴィメタルバンド。
1997年に発表された13枚目のアルバム[Unleash the Beast]の2曲目に収録されています。

ロンドンを中心に巻き起こったNWOBHMのムーブメントに乗り、[Iron Maiden]や[Judas Priest]と共にヘヴィメタルの中心的存在として人気を博しました。
80年代の中盤以降はアメリカ進出を狙ってPOPな路線に走ったり、ヘヴィメタルの人気が下火になった際にはセールスが低迷したりと苦労を重ねながらも活動を続けていきました。
前作の[Dogs Of War]発表後にはオリジナルメンバーであるGraham Oliver(Gt)が脱退するトラブルにも見舞われますが、Doug Scarratt(Gt)を迎えてパワーメタルの要素を含んだアグレッシヴでヘヴィな作品を作り上げました。
その中から、特に人気の高いスピードナンバーがこちらです!

一般的に広く知れ渡っているバンドのイメージは、古き良きブリティッシュロックにアメリカンなバイカーズサウンドがバランス良く融合された骨太でハードブギーなメタルサウンドです。
ですが、この曲で別のバンドかと思うほどの変化を遂げました。
激しいツインバスの連打に乗せて16分音符を主体としたザクザクと刻まれるギターリフは、メロディックパワーメタルバンド達からの影響が少なからず感じられる大変に攻撃的なサウンドです。
ここには、初期[Blind Guardian]のプロデュースを手がけたKalle Trappが本作にプロデューサーとしてクレジットされていることも少なからず影響しているのではないかと思えます。

普段はエモーショナルで堂々と中音域を歌い上げるBiff Byford(Vo)も、この曲では空を切り裂くようなスクリームを披露しており、楽曲の雰囲気と非常にマッチしていて素晴らしいアクセントになっています。
こんな声の出し方ができたのかと、意外な一面を知れました。

弦楽器陣のアレンジも熱量の高いものとなっており、Bメロでの地を這うようなうねるベースラインを入れたり、速弾きやチョーキングを多用した攻撃的なギターソロなどは、バンドの年齢を10歳ほど若返らせたかのような新鮮さがあります。
もちろん、ただ激しいだけではなくメロディアスな部分もしっかりとあるので、従来のSaxonの面影は十二分に感じられると思います。
ベテランバンドが起死回生とばかりに放った一撃です。
ここから、徐々に人気を取り戻し、ついには欧州のヘヴィメタルを代表するバンドにまで返り咲くきっかけを作った名曲です。

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