【曲紹介】Glory Bell’s Band / Old Viking Man

グローリー・ベルズ・バンド / オールド・ヴァイキング・マン (1982)

1980年にスウェーデンで結成されたヘヴィメタルバンド。
1982年に発表された最初のアルバム[Dressed in Black]の9曲目に収録されています。

ギタリスト3人を有するトリプルギターの6人組編成の大所帯のバンドです。
当時のスウェーデンのロックシーンではトップクラスの演奏力を誇り、熱狂的ファンを多数獲得してきました。
地道な活動がレコード会社の目に留まり、結成から間もなくアルバムレコーディングの権利を勝ち取って発表された作品は、3本のギターの織りなす素晴らしいハーモニーに満ち溢れたものに仕上がりました。
その中でも、特に強烈なギターソロでリスナーの度肝を抜いた曲がこちら!

この時期のスウェーデンのバンドは、どのバンドもブリティッシュメタルに強い影響を受けているのですが、このバンドも御多分に洩れず。
70年代の雰囲気を引きずった、泥臭さを感じる古き良きサウンドです。
まず耳が反応するのは、バンドのリーダーでもあるGlory Northの強烈な歌声です。

声量もパワーも表現力も圧倒的なものを持っているのですが、声質があまりにも個性的で聴く人を選びます。
強烈なハイトーンのシャウトは、個性が3歩先まで進んでおり思わず失笑が漏れるレベルです。

しかし、安定感抜群の演奏は安心して聴けますし、全ての楽器が一丸となって緩急をつけたメリハリのある曲展開で聞き手を楽しませてくれます。
ブルージーなストーパートに移行した際のツインギターでのソロは、ヨーロピアンな哀愁をこれでもかと感じさせてくれます。

これだけでもお腹いっぱいになるところですが、この曲の真骨頂はラストのギターソロです。
一気にテンポアップをして怒涛のようなソロ回しが押し寄せてきます。
前半部分はEaglesのHotel Californiaにも匹敵する哀愁のツインのハーモニーを奏で、後半はこれまでのプレイは小手調だとばかりにテクニカルな速弾きを交えた火の出るような凄まじいプレイを披露してくれます。

あまりのテンションの高さに、ただただ圧倒されるばかり。
それぞれが得意なプレイを担い、ギタリストが3人いる強みを遺憾なく発揮しています。
音楽性やシンガーの声質を考えると、スウェーデン国外でのヒットが難しかったのは納得できますが、埋もれさせておくには非常に勿体ないと感じる素晴らしい内容です。

後にバンドは解散しますが、残ったメンバー達がGloryを結成し、日本でも小さな話題となりました。
その歴史を掘り起こす上でも重要なバンドです。

ドラマチックなギターソロを堪能したいな必聴!
マイナーメタル発掘はこれだからやめられません。

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