トーク・オブ・ザ・タウン / フリー・ライク・アン・イーグル (1988)
1986年にスウェーデンで結成されたハードロックバンド。
1988年に発表されたデビューアルバム[Talk Of The Town]の1曲目に収録されています。
ヘヴィメタルとオペラ両方のシーンで活躍するThomas Vikstrom(Vo)と、数多くのプロジェクトを抱えるソングライターのTommy Denander(Gt)在籍していたことで有名なバンドです。
母国のインディーズレーベルであるGlen Artist Promotionと契約して発表したデビューアルバムは、ヨーロッパ各国でメジャーレベールのCBSから流通されます。
哀愁漂う品行方正なハードポップサウンドは話題となり、メロディックロックを好むマニアの間で話題となりました。
その中から、ヒットシングルにもなったバンドの代表曲がこちらです。
北欧メタルと称されるスタイルを愛好するリスナーならば、イントロを聴いただけで大きく感情が揺さぶられるでしょう。
煌びやかなシンセのフレーズは、まさに直球ど真ん中と言っても過言ではない北欧のバンドらしいトレードマークです。
楽曲はソフトながらも、Thomas Vikstrom(Vo)のパワフルで豊かな声量はこの頃から健在。
当時はまだ18歳というだけあって多少の音程の甘を含むは初々しさも感じますが、内に秘めたる才能の片鱗が顔を出しています。
特にサビでのドラマチックなメロディラインは、普段ヘヴィメタルを聴いているリスナーにも大いにアピールできます。
まるでオペラを聴いているような壮大さは、Thomas Vikstrom(Vo)のオペラを下地としたスタイルに合わせて作ったのかもしれません。
後にシンフォニックメタルバンドの[Divine Fire]が本人をゲストシンガーに招いてカヴァーした際に驚くほど違和感なくハマっていたことからも信憑性があります。
バックの演奏も実に堅実。
テクニカルなアレンジは一切無いのですが、安定感のあるアンサンブルは歌を最大限に引き立てるように構築されています。
それでいて、ギターソロではきっちりとフレーズで自己主張をすることも忘れてはいません。
つくづく、新人離れしたパフォーマンスだと感心させられます。
残念なことに、この1作でThomas Vikstromはオペラ歌手デビューのために脱退してしまいバンドは解散に追い込まれました。
ですが、後にメタルシンガーとして[Candlemass]や[Therion]をはじめ様々なバンドを渡り歩く彼の若かりしパフォーマンスを楽しめる歴史的価値のある名曲です。
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