【曲紹介】Savage / Let it Loose

サヴェージ / レット・イット・ルーズ (1983)

1978年にイングランドで結成されたヘヴィメタルバンド。
1983年に発表された1枚目のアルバム[Loose ‘N Lethal]の1曲目に収録されています。

NWOBHMのブームに乗ってデビューし、[Venom]や[Raven]と並ぶ過激なサウンドが話題となったバンドです。
1981年に発表したコンピレーションアルバム[Scene of the Crime]に収録されていたLet it Looseのデモバージョンが話題となり、数多くのバンドに影響を与えます。
結成したばかりの[Metallica]がライブのレパートリーに入れていたも有名な話。
Ebony Recordsと契約をして発表したデビューアルバムにも再度レコーディングをした上で収録され、時代を超えて愛されています。

最初のギターリフを聴いた瞬間、凄まじい音割れに驚きました。
発売元のEbony Recordsは弱小レーベルのため、レコーディングの予算が十分に確保できなかったと聞きます。
ここまで酷いと、商品として発売するのはNGが出るケースも多くあると思います。

ですが、この曲に関しては音質が完全にプラスに働いています。
一心不乱にガシャガシャとかき鳴らされるギターリフは、鉄屑の塊を投げつけられているようです。
触れただけで身体中がズタズタに切り裂かれてしまいそうなアグレッションには圧倒されるばかり。

凄まじいスピード感と有無を言わさぬハイテンションで爆走するスタイルは、[Motorhead]からの影響がとても強く出ています。
ですがギターリフの切れ味にここまで拘ったアレンジは、当時のバンド達を見渡しても斬新です。

この曲の特筆すべき点は、シンプルを極めた曲展開です。
ポピュラーミュージックの構成はAメロやBメロ、サビ等のパートに分かれて展開していくものが一般的です。
それに対してこの曲はたったの2つのリフを繰り返すだけの構成です。
Aメロもサビも存在しません。
初心者でも短時間の練習で覚えられる上に、演奏に勢いさえあればそれなりに形になります。
そのため、結成後間もないヘヴィメタルバンド達の練習曲として演奏される機会が多くありました。

このアグレッションに魅せられた若者達がバンドを結成し、より激しく演奏するスタイルがスラッシュメタルへと発展しました。
ヘヴィメタルの歴史を語る上で非常に重要な名曲です。

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