【曲紹介】Queensryche / Queen of the Reich

クイーンズライク / 女王の国 (1983)

1980年にアメリカのシアトルで結成されたヘヴィメタルバンド。
1983年に発表された1枚目のEP[Queensryche]の1曲目に収録されています。

プログレッシブメタルと呼ばれるジャンルの基礎を作り上げたことで知られるレジェンド的バンドです。
結成当初はThe Mobと名乗っており、1981年に自主制作で4曲のデモ音源をレコーディングします。
その音源が地元のインディーズレーベルの目に留まり、全曲をまとめてミニアルバムとしてリリースする運びとなりました。
しかし、版権の関係でそのままのバンド名ではリリース不可となってしまったため、バンド名を変更します。
新しいバンド名を決めるにあたっての元になったばかりか、バンドの代表曲として末長く愛されることになったナンバーがこちらです。

アップテンポでスピード感に溢れており、[Judas Priest]や[Iron Maiden]をはじめとするブリティッシュメタルからの影響が色濃く出ています。
自主制作のデモ音源をそのままリリースしている為、音質には非常に難がありメンバーの大半が当時10代だったこともあり演奏力も発展途上。
ですが、そこは若さと勢いでカバーしています。

アレンジも実に練り込まれており、聞きどころは多くあります。
[聖飢魔II]が[EL DORADO]のイントロでも引用した冒頭のギターリフはインパクト絶大ですし、ギターソロもツインリードのハーモニーを中心にドラマチックに展開しています。

何よりも強烈なのが、Geoff Tateの常識から外れたハイトーンです。
イントロのシャウトはどこまでキーが上がるのだろうかとワクワクしますし、サビの最後での強引とも言えるビブラートを効かせた歌唱は並大抵の実力では再現できません。
驚いたことに彼はレコーディング当時は正式メンバーではなく、シンガーが不在だった為に穴埋めで手伝っただけでした。
にも関わらず、ここまでテンションの高いパフォーマンスを聞かせてくれるのは驚きです。
正式加入後には聴くことのできない直球ストレートなテイクは貴重です。

この曲での歌唱スタイルは、後に様々なシンガーへと影響を与えました。

[Crimson Glory]のMidnight
[Agent Steel]のJohn Cyriis
[Shy]のTony Mills
[Helloween]のMichael Kiske

いずれも彼のハイトーンを模倣したスタイルです。
この曲がライブのセットリストの定番となったのは、間違いなくこの驚異的なヴォーカルワークのおかげです、
ヘヴィメタルの歴史を語る上で、絶対に外せない歴史的名曲です。

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