アンディ・アロー / イエロー・ゴールド (2012)
2008年からアメリカで活動をしているカメルーン出身のシンガーソングライター。
2012年に発表された2枚目のアルバム[Superconductor]の5曲目に収録されています。
ジャケットを見ただけで「え?Prince?」となりますが、それもそのはず。
彼女はPrince率いるThe New Power Generationでギターとサブシンガーを務めていたんです。
しかも、Princeがソロ活動を全面的にバックアップしてくれています。
彼女にどれだけの実力と才能があり、Princeが信頼を寄せているかがよくわかります。
音も、完璧にPrinceそのもの!
ただ、毒々しさは一切なく暖かく包み込んでくれるムードたっぷりの超正統派R&Bナンバーに仕上がっています。
そこに囁くようなAndy Alloの優しい歌声が存在するだけでPrinceとの差別化ができています。
ただ、演奏へのこだわりは見事!
ウネリまくるネバっこいベースラインが土台として曲全体を支配しています。
音の伸ばし方、切り方、まさに絶妙!
歌うようなベースラインに体が思わず動かされます。
そこに切り込んでくるのが、最小限の音数で攻める超シンプルなドラムです。
おそらく、ジャストなリズムを叩いているのですが、ベースがリード楽器のように前のめりに弾いているために、どっしりとした印象を受けます。
ベースにつられて前に出てしまわないところが、まさに職人芸。
曲全体の雰囲気を大切にしている証拠です。
リズム面が凄すぎて、何度か聞かないと気が付きませんでしたがギターやブラスセクションもお見事!
ギターをよく聞くと、めちゃくちゃリズムがハネてるんです。
リズムの骨の部分はベースとドラムに譲り、裏箔の部分で隙間を狙ってハネたフレーズを連発していました。
その上に強烈なアクセントとしてお洒落な音色のブラスが飛び込んでくるんです。
全く無駄と隙のないアンサンブル構築は、まさにPrinceの得意技です。
今は亡きPrinceが遺したもう一つの歴史的遺産です。
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