【曲紹介】Ratt / Back For More

ラット / バック・フォー・モア (1984)

1977年にカリフォルニア州で結成されたヘヴィメタルバンド。
1984年に発表された1枚目のフルアルバム[Out of the Cellar]の7曲目に収録されています。

アメリカのグラムメタルムーブメントの中心で活躍した実績を持つベテランバンドです。
結成当初はMickey Rattを名乗っていましたが、ディズニーからの起訴を恐れてRattに改名。
数えきれないほどのメンバーチェンジを繰り返しながら、1983年に当時のマネージャーが運営していたインディーズレーベルのTime Coast MusicからセルフタイトルのEPを発表します。
このEPが10万枚を超えるセールスを記録する大ヒットとなり、メジャーレーベルのAtlantic Recordsとの契約を獲得。
ヒットメーカーのBeau Hillをプロデューサーに迎えたメジャーデビューアルバムは、バンドの代表作となりました、
その中から、前作のEPにも収録されていた曲のリメイクバージョンがこちらです。

オリジナルヴァージョンは5分以上のドラマチックな長尺の楽曲でしたが、イントロや中盤の展開をバッサリと省略して3分少々と随分コンパクトになりました。
メジャーレーベルからたっぷりと予算を注ぎ込まれてレコーディングされただけあって、音は分厚くゴージャスになっています。

派手なメンバーショットで当時は[Mötley Crüe]と人気を二分していましたが、グラムロック的な華やかさよりも毒々しさと暗さがこの曲にはあります。
怪しさ満点のギターリフや、浮遊感を感じさせるリズムはリスナーを煙に巻くようです。
弦を指で弾くスラップ奏法を多用するベースも非常に個性的。

何よりも、Stephen Pearcyの平坦で投げやりな歌唱がこの曲の雰囲気を演出するのに一役買っています。
ブルージーな声であえて盛り上げず平坦に歌うことで、なんとも言えないアンダーグラウンドな空気感が漂います。

後にヘヴィメタルのバブルが到来し、ロサンゼルスは華々しいヘアメタルムーブメントが巻き起こります。
ですが、この頃の彼らは薄汚れたライブハウスで鎬を削っていた頃の感覚をまだ保っていました。
活動初期における代表曲です。

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