ラスチャイルド / ザッツ・ホワット・ユー・ゲット (ウェン・ユー・フォール・イン・ラヴ) (1989)
1980年にイングランドで結成されたグラムメタルバンド。
1989年に発表された3枚目のアルバム[Delirium]の3曲目に収録されています。
ロンドンを中心に、派手なメイクと衣装に身を包んで人気を博した伝説のバンドです。
1984年に[Stakk Attakk]で鮮烈なデビューを飾ったものの、レーベルとのトラブルに巻き込まれてしまい活動を停止。
1988年に4年ぶりに活動を再開し、[Iron Maiden]の[Bruce Dickinson]を監督に迎えたMusic Videoが小さな話題になって健在っぷりをアピールしました。
解散前ラストアルバムになった本作は、初期の毒々しい雰囲気が一掃されてメロディアスで爽快な仕上がりとなっています。
その中から、能天気でアップテンポのロックンロールナンバーがこちらです。
ひたすらタイトルを連呼する、非常に覚えやすいパーティーロックです。
サビはもちろんAメロの合いの手まで同じメロディで同じ歌詞を歌い続けるため、頭にこびりついて離れません。
何も考えずに踊れるナンバーの理想系です。
デビューアルバムでは歌以外の全パートをシンセの打ち込みにされたほど演奏力がネックになっているバンドですが、彼らのテクニックに合わせてアレンジも極めてシンプルです。
これだけシンプルだとギターパートもコードをなぞる以外のプレイをするだけで華があるように聴こえます。
ライブに定評のある人気バンドなので、このあたりはしっかりと工夫して作り込んでいるのでしょう。
バックコーラスには[Grim Reaper]から[Onslaught]に移籍したばかりのSteve Grimmettが参加しているようです。
一聴しただけでは解りませんでしたが、よく聴くと明らかに太くて伸びの良い声が混ざっているのに気がつきました。
音楽的な接点は殆ど無いであろう彼が参加していることから、バンドの広い交友関係が伺えます。
シンブルなパーティーロックには無駄な装飾は一切不要だと体現しています。
本作発表後にシンガーのRocky Shadesが[Discharge]に引き抜かれ、残念ながらバンドは解散。
ですが、最後に遺したバンド本来の持ち味を余すことなく伝えている隠れた名曲です。
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