【曲紹介】Turisas / Battle Metal

チュリサス / バトル・メタル (2004)

1997年にフィンランドで結成されたヴァイキングメタルバンド。
2004年に発表されたデビューアルバム[Battle Metal]の3曲目に収録されています。

メンバー全員が戦いを表現する派手な赤と黒のメイクを施し、アコーディオンやヴァイオリンなどのトラッドな楽器で勇猛なメロディを奏でる人気バンドです。
結成をしてから発表をした3枚のデモ音源が話題となり、ドイツのCentury Mediaと契約に成功。
そして、デモ音源に収録されていた楽曲をアレンジし直し、じっくりと時間をかけてレコーディングを行った上でデビューアルバムとしてリリースを行います。
その中から、代表曲だった[The Heart Of Turisas]をタイトルを変えてリメイクしたナンバーがこちらです。

進軍ラッパのように響き渡るイントロのフレーズから早くも全力投球であり、戦場に赴いて全軍突撃の号令をかけられた瞬間の如き血湧き肉躍る演出です。
行進曲を彷彿させる三連符のリズムで、日本の軍歌を聞いているような高揚感がたまりません。

メインメロディを濁声で歌うシンガーのバックで、それをかき消さんばかりの地響きコーラスが闘志を奮い立たせ、コンサート会場ではオーディエンスがバンドと一つになって団結する瞬間が味わえます。
サビにあたる部分でタイトルを男らしく力の限り連呼する展開には、胸を熱くさせるか、はたまた恥ずかしさのあまり逃げ出すかの二択しか選択肢は残されていません。
戦士たちを鼓舞する台詞の後に続いて大地を揺るがす雄叫びと更に激しさを増すタイトルコールは、勝利に向けた皇軍の歩幅が否応にも広がります。

ギターソロは存在せず、その代わりにリコーダーのソロが存在するのが激しい戦いの中の清涼剤であり、戦闘が激しさを増す中での嵐の前の静けさを演出しています。
ここには、北欧のヴァイキング伝説に根付いた民謡からの多大な影響も伺えます。
略奪を繰り返し、時には自分の領土を守るために鎧に身を包んで激しい戦闘を繰り返したヴァイキングたちの神話をヘヴィメタルに乗せて現代に伝承をしています。

あまりの暑苦しさに、ヘヴィメタル愛好家の間でもリスナーを選びます。
好きな人は本当に大好きですし、ダメな人はとことん毛嫌いする類の路線です。
ただ、その狭き門を乗り越えたリスナー、特にファンタジー系のゲームが大好きならばヘヴィメタルがよくわからなくてもこの雰囲気に馴染んでくれるはずです。
[バトルメタル]を音楽ジャンルにまで昇華させた記念碑的名曲です。

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