【曲紹介】Falconer / Upon the Grave of Guilt

ファルコナー / アポン・ザ・グレイヴ・オブ・ギルト (2001)

1999年にスウェーデンで結成されたパワーメタルバンド。
2001年に発表されたデビューアルバム[Falconer]の1曲目に収録されています。

伝説のヴァイキングメタルバンド[Mithotyn]解散後、Stefan Weinerhall(Gt)によって結成されたバンドです。
[Mithotyn]の特徴であるフォークやトラッドなメロディをクリーンボイスで歌うのをコンセプトとしており、シンガーにはミュージカル俳優のMathias Bladを招きました。
ドラマーには[Mithotyn]時代から活動を共にしているKarsten Larssonが加入してレコーディングされたデビューアルバムは、ヨーロッパ各国のマニアを虜にしました。
その中から、アルバムのオープニングを飾るスピードナンバーがこちらです。

Stefan Weinerhallのトレードマークとも言える凄まじい哀愁を放つギターリフは、この曲でも炸裂しています。
[Running Wild]からの影響が感じられる勇猛なメロディは、とてもキャッチーでインパクトが絶大。
イントロの掴みだけで多くのメロディックメタルファンの支持を得ました。

ですが、この曲の最大の魅力はMathias Blad(Vo)の歌唱法です。
多くのメロディックパワーメタルのシンガーがハイトーンを多用する中で、
中音域をメインに艶っぽく歌う彼の声は強烈な個性を放っています。
舞台俳優らしく感情豊かに歌い上げるスタイルは、まるで物語を聴いているかのようです。
ヘヴィメタルのレコーディングは本作が初めてなのですが、これほど適した人選は無いでしょう。

[Mithotyn]時代と比べるとストレートなメロディックメタルの路線を貫いていますが、要所要所で面影が現れます。
中間部分で北欧民謡に影響を受けたメロディを大合唱するパートは、トラディショナルなヘヴィメタルを愛聴するリスナーにはたまらない展開です。
メリハリのある展開で一本調子にならないように聴かせるアレンジセンスは見事。

この手の楽曲では珍しくギターソロが存在しませんが、よく聴かなければ全く気が付きません。
それほど、歌とメロディでリスナーを魅了している証拠です。
土着的な北欧の旋律を使ったバンドを聴くならまずはこの曲から!
太鼓判を押してお薦めできる名曲です。

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